医学部の女性差別、多浪生差別問題まとめ

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10/18 更新 文科省による全国医学部の調査データを大学別に掲載しました。
平成30年度および直近3年間の、性別および年齢別の詳細なデータになります。

国公立医学部大学別受験情報

私立医学部大学別受験情報

 

女性差別問題について

「偏差値や教科の難易度が高くなると女性不利になる」は全くの嘘

よく「偏差値が高い大学や、数学や理科の難易度が高いと女性が不利になるのでは」という意見が見受けられます。

しかし、今回の文科省調査のデータから、「偏差値や教科の難易度が高くなると女性不利になる」という仮説は明確に否定できるといえます。

6年間の合格率の男女比(男性合格率/女性合格率)をみますと、
東大1.03、東京医科歯科1.11、東北1.13、阪大1.13、神戸1.04、慈恵会医科大学1.06 と、難関〜最難関の医学部において男女差をあまり認めないにも関わらず、

順天堂1.67、昭和1.54、日大1.49、東北医科薬科1.54、埼玉医科1.35 など、上記医学部に比較して難易度は低いにもかかわらず、非常に大きな男女差を認める医学部が存在します。(データ資料のとおり、国公立医学部においても男女差が大きい医学部は複数存在します)

以上から、偏差値や教科の難易度による女性への影響は否定できると言えます。

実際に当塾のこれまでの卒業生のデータからも、男女別の成績に有意な差は認めません。

合格率の男女差が大きい医学部は不自然

男女別の合格率のデータがでると、「そんなデータには意味がない!」と主張する方がでるのは簡単に予想できていました。

実際下記のような記事がでています。

「医学部の男女差を「合格者数」「合格率」で比べる馬鹿が多い件について」
http://blogos.com/article/317484/

 

医学部受験生を指導してきている立場として、結論からいってしまうと、男女別の合格率のデータには非常に意義があります。

6年間という長期間において合格率の男女差がほとんどない医学部に対して、やはり1.5倍程度などの大きな差が開いている医学部は不自然だといえます。

 

受験者数が少ない国公立医学部においては、年度によって男女の合格率が上下することはもちろんあります。
しかし、6年間すべてにおいて女性の合格率が低い医学部ではやはり不自然だといえます。

 

男女差が大きい医学部においても、完全に公平な試験を行っている可能性はゼロではありませんが、非常に高い確率で何らかの調整を行っていると予想します。

医学部受験生を指導してきている立場として、特定の大学の受験生集団においてのみ、有意に男女で成績差が開くことは考え難いと思っています。

 

また、これまでほとんどのデータが公開されていなかった医学部入試において、とにかくデータを集めていくことは、受験生にとってそれだけで価値があることです。

ちなみに、「男女別の合格率が直接不正や得点調整を反映するものではない」ことくらいは、メディアの方も含めてほとんどの人がわかっています。

データをとって公開することには十分価値があります。

6年間のデータで男女差が大きくなくても女性差別を行っている可能性は十分ある

注意点として、6年間のデータで合格率の男女差があまりないからといって、女性差別を行っていないとは言えません。

例として聖マリアンナ医科大学で説明します。

聖マリアンナ医科大学は6年間の合格率の男女比が1.08と、医学部全体の中でも男女差は大きくありません。

 

しかし、直近2年間においては、恐らく女性差別を行ったであろうデータになっています。

H30年のデータ

受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)男女比(倍)
区分男性女性男性女性男性女性
合計1,7941,4173,211138742127.7%5.2%1.47
現役2993696681650665.4%13.6%0.39
1浪44140985053237612.0%5.6%2.14
2浪3442676113613710.5%0.4%27.94
3浪218141359160167.3%0.0%
4浪以上492231723170173.5%0.0%

2浪以上の男性は1054名が受験して69名が合格しており、合格率は6.5%です。

一方、
2浪以上の女性は639名が受験して合格者はたった1名のみです。合格率を計算するまでもありません。

結果として、
2浪以上および再受験生の女性の受験生は聖マリアンナ医科大学は受験しても無駄であった
と結論づけざるを得ません。

 

実際に、聖マリアンナ医科大学については二次試験(面接と小論文)の男女別の合格率が約2.3倍もの差があることがわかっています。

上記のとおり、6年間の合格率の男女差が大きくなくても、年齢別や年度別の男女差をみていくことでわかってくることもありますので注意が必要です。

下記記事で詳しく説明しています。
聖マリアンナ医科大学の女性差別の可能性の検証

 

 

昭和大学医学部の考察

昭和大学医学部の女性差別や多浪不利の可能性の検証について

 

聖マリ、昭和、日大において二次試験の合格率に男女差が!

8/12に読売新聞様の調査にて、私立医学部における「二次試験」での男女別の合格率のデータが公表されました。

「聖マリ・昭和・日大2次試験、女子厳しく評価か」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180811-OYT1T50118.html?from=tw

二次試験は学科試験ではなく、面接、小論文、適性検査といったいわゆる客観的な点数化が難しい試験であり、その二次試験における合格率の男女差は非常に価値のあるデータだといえます。

記事から引用します。

男女比を公表した26の私大で、今年の一般入試の1次合格者のうち、最終合格者の合格率を男女で比較したところ、13校は女子の合格率が男子に比べて低かった。このうち聖マリアンナ医科大、日本大、昭和大、東京医科大の4校は、男女の合格率の差が10ポイント以上開いており最も差があった聖マリアンナ医科大は男子31・95%に対し、女子14・71%だった私大全体では、男子33・25%、女子31・41%で、女子は男子に比べて1・84ポイント低かった

整理します。

・公表したのは26の私大 →私立医学部は全国で31(防衛医大を含めると32)ありますので、5-6の医学部はデータを公表しなかったことが予想されます。

・私大全体では「二次試験」の合格率の男女差は1.84ポイントであり、それほど差があるとはいえない印象。

聖マリアンナ医科大学、日大医学部、昭和大医学部、東京医大は「二次試験」の男女の合格率の差が10ポイント以上開いている。

 

そして、東京医大は実際に二次試験の中の小論文において、女性への得点調整を行っていたことがわかっています。

 

聖マリアンナ医科大学、日大医学部、昭和大医学部は、今回の報道がある前から当塾では下記記事にあるとおり、指導してきた生徒の男女別の合格率から、女性が合格し辛い印象をもっていました。

 

学科試験ではなく、面接、小論文といった二次試験においてこれだけ合格率に男女差がでたことについて、
・二次試験の採点基準や方法
・二次試験の男女の得点データ
の公開を含めて、何らかの説明が必要であるといえます。

 

また、もし正当な採点基準に基づいた結果であるとしても、二次試験においてこれだけ男女に差がでてしまう試験ははたして公平な試験内容であったといえるのかという疑問もでてきます。

 

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