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昭和大学医学部の女性差別問題まとめ


2019.9月更新
9/13(金)に第三者委員会の最終報告書が公開されました。

第三者委員会報告書
https://www.showa-u.ac.jp/news/nid00000362.html

動画で解説してみました。

 

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偏差値や教科の難易度が高くなっても女性の合格率に影響しない

よく「偏差値が高い大学や、数学や理科の難易度が高いと女性が不利になるのでは」という意見が見受けられます。
しかし、今回の調査から「偏差値や教科の難易度が高くなると女性不利になる」という仮説は明確に否定できるといえます。

 

6年間の合格率の男女比(男性合格率/女性合格率)をみますと、
東大1.03、東京医科歯科1.11、東北1.13、阪大1.13、神戸1.04、慈恵会医科大学1.06 と、難関〜最難関の医学部において男女差をあまり認めないにも関わらず、

順天堂1.67、昭和1.54、日大1.49、東北医科薬科1.54、埼玉医科1.35 など、非常に大きな男女差を認める医学部が存在します。(私立医学部だけでなく、国公立医学部においても男女差が大きい医学部は複数存在します)

以上から、偏差値や教科の難易度の合格率への影響は否定できると言えます。
実際に当塾のこれまでの卒業生のデータからも、男女別の成績に有意な差は認めません。

全国医学部の文科省データのリンク

全国の医学部の6年間における性別および年齢別の詳細なデータが公表されました。

全国医学部のデータ

昭和大学医学部の性別、年齢別の合格率

平成30年のデータ

受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)男女比(倍)
区分男性女性男性女性男性女性
合計3,2642,2275,4912301053357.0%4.7%1.49
現役1,0761,0362,1121095816710.1%5.6%1.81
1浪1,1096591,76888421307.9%6.4%1.25
2浪593326919225273.7%1.5%2.42
3浪220108328100104.5%0.0%
4浪以上266983641010.4%0.0%

過去3年間のデータ

受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)男女比(倍)
区分男性女性男性女性男性女性
合計10,7876,99617,7836752979726.3%4.2%1.47
現役3,4803,1056,5852831634468.1%5.2%1.55
1浪3,4702,1585,6282871134008.3%5.2%1.58
2浪1,9131,0062,9197918974.1%1.8%2.31
3浪8163591,175213242.6%0.8%3.08
4浪以上1,1083681,4765050.5%0.0%

全国で2番目に合格率の男女差が大きく1.54倍にのぼる

昭和大学医学部は、例年大きな男女差を認めます。6年間の合計では全国82の医学部の中で2番目に合格率の男女差が大きい医学部になります。

6年間合計すると男性の合格率は女性の合格率の1.54倍にものぼります。

(いずれの年度も男性の合格率が1.5倍程度高い)
平成30年 1.49倍
平成29年 1.45倍
平成28年 1.49倍
平成27年 1.56倍
平成26年 1.52倍
平成25年 1.74倍

平成31年では女性の合格率が高く逆転した

文科省の指摘後の平成31年の入試では公平になったと思われますが、
合格率は男性5%、女性7%とむしろ女性の合格率が上回りました。

(引用:文科省調査結果 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/06/25/1409128_014_1.pdf
(左表:平成31年 右表:平成30年)

 

(引用:第三者委員会報告書)

学科試験で男女差はなく、面接小論文で著明な男女差

(いずれも男性の合格率/女性の合格率)
平成30年 I期 一次試験1.02倍 二次試験1.38倍
平成30年 II期 一次試験0.86倍(女性の合格率が高い) 二次試験1.36倍
平成29年 I期 一次試験1.07倍 二次試験1.46倍
平成29年 II期 一次試験0.84倍(女性の合格率が高い) 二次試験1.42倍

一次試験は学科試験、二次試験は調査書+面接+小論文です。
すなわち、学科試験ではほとんど男女差はなく、調査書+面接+小論文にて大きな男女差がついていることがわかります。

特に、II期(後期試験のこと)では学科試験ではむしろ女性の合格率が上回っていたにも関わらず、二次試験で大きく男性の合格率がうわまわっています。

昭和大学医学部の二次試験について

昭和大学医学部の二次試験は調査書+面接と小論文ですが、面接は医学部受験の中でも拍子抜けするほど緩いものとなっています。

実際昭和医学部の二次試験を受験した卒業生からの声を整理すると、

・10分間の面接で、延長はなく時間が来たらすぐに退出。

・小さな部屋で行うのではなく、大部屋を区切ったブースのようなところで面接を行う。
そのため、他の受験生の声も聞こえてくるような環境。

・質問内容は、志望理由、医師を志した理由、趣味についてなど典型的。

・雰囲気は和やかで緊張はしない。

 

上記から、面接試験はかなり緩い雰囲気であり、時間も10分と短い設定になっています。

小論文も一般的な内容なので、少なくとも他の医学部と比較して二次試験を重視している印象は全くありません。

詳細は下記をご覧ください。
昭和大学医学部の面接小論文対策まとめ

女性に電話での繰り上げ合格をほとんど行っていなかった

(表:第三者委員会中間および最終報告書より引用)
・正規合格者はむしろ女性の合格率が上回っている
すなわち、公正な試験では女性の方が合格率は高いと考えられる(平成31年の試験結果からもこのことがいえる)
平成30年I期:男性12.5% 女性19.2%
平成29年I期:男性11.9% 女性15.3%

(引用:第三者委員会の最終報告書)

・しかし、補欠繰り上げ合格者に約2倍程度と非常に大きな男女差を認める。

(引用:第三者委員会の最終報告書)

・総合順位約160位以下の繰り上げ合格はほとんど男性にしかまわっていない。
昭和大学医学部では、78名の正規合格者の発表と約160位までの補欠繰り上げ合格の発表が「掲示にて同日に」行われていました。(78名を特待合格、160位までを正規合格と大学が発表していた年度もあり、表現にはややこしい点があります。)

その約160位までは男女差を認めず、160位以下の繰り上げ合格がほとんど女性にまわっていないことから、「電話での繰り上げ合格をほとんど女性にまわしていない」ことがいえます。

(引用:第三者委員会の最終報告書)

さらに平成25-28年も含めると電話での繰り上げ合格者は下記のとおりとなる。

平成25年 男性137名 女性3名
平成26年 男性127名 女性6名
平成27年 男性122名 女性8名
平成28年 男性92名  女性6名
平成29年 男性73名 女性2名
平成30年 男性56名 女性0名

なお文科省の指摘後、公平になったと思われる平成31年の電話での繰り上げ合格は
男性49名 女性48名となっている。

2年だけでも70名以上の女性の追加合格の可能性

公正な試験ではむしろ女性の合格率が高いことがわかりましたが、仮に男性と同じ合格率で計算してみます。

平成30年度:女性153名の補欠者に対して男性と同じ53%で繰り上げ合格したとすると、81名が合格。44名しか合格になっていなかったことから37名が合格していた可能性あり。

平成29年度:女性180名の補欠者に対して男性と同じ44%で繰り上げ合格したとすると、79名が合格。40名しか合格になっていなかったことから39名が合格していた可能性あり。

上記のとおり、2年間で76名が合格していた可能性があり、女性の合格率が本来高いことを考えると76名以上の追加合格対象の可能性があります。

また、平成25-28年においても同様であるため、6年間では200名近い女性が不当に不合格になっていた可能性があります。

(引用:第三者委員会の最終報告書)

昭和大学は「偶然の結果」と回答

このような結果にも関わらず、昭和大学は第三者委員会の最終報告に対して、未だに「偶然の結果」であると下記のように回答しています。

 

当塾の卒業生も、女性は当然電話自体かかってきていませんし、平成31年の入試ではこのような男女差を認めていないことからも、第三者委員会も大学の回答に対して批判的なコメントをしています。

報告書の公開は昨年の入試に間に合ったのでは?

もう一点の問題点として、令和元年9月13日に、はじめて中間報告と最終報告をあわせて昭和大学は公表しました。逆に、それまでは中間報告書も含めて公開されませんでした。

しかし、中間報告書の内容の時点で、すでに平成30年と29年の2年間のデータはまとまっていましたので、上記のことは中間報告でほとんど明らかになっていました。(最終報告書での追加内容は、平成31年の結果と平成25-28年の調査がメインとなっています)

そして、実は中間報告書は平成31年1月18日に大学は受け取っています。

平成31年の入試のI期の出願締切は1月15日でしたので間に合っていませんが、II期(後期)は出願締切が2月21日、試験日は3月2日に行われています。
つまり、中間報告書を速やかに公表していればII期(後期)の出願には十分間に合ったと考えられます。

参考として、順天堂大学医学部は第一次報告書を12月3日に受け取り、12月10日に大学が公表しています。

2010年以前の昭和大学医学部の生物の試験は適切といえるか

参考に2010年の昭和大学医学部で出題された生物の問題の一部を掲載します。

下記をみていただければわかりますが、生物の学力を試す試験として適切といえるか疑問が生じます。
受験生にとっては、文意が通っていれば正解になったのか、一字一句あっていないと不正解になったのかの判断すらできない状態でした。

このような試験では、いくら公平に採点をしたといっても、「生物受験生が多い女性を不利にする効果は十分ある」と考えられます。

具体的な是正内容について

最後に、独自に考える具体的な是正方法について列挙します。

・すべての試験形式において、補欠順位を公表する

慈恵会医科大学、日本医科大学などのように元々補欠順位を明確に受験生に公表している大学も存在します。また、以前は公表していなかったものの平成31年の入試において、東京医科大学、日本大学、北里大学などは補欠順位を公表するようになりました。

しかし、昭和大学はこの平成31年度の入試においても補欠順位が公表されませんでした。

・一次試験および二次試験それぞれの性別、年齢別の受験者数、合格者数、合格率を各試験形式ごとに公表する

・一次試験および二次試験の得点開示を全受験生を対象に行う
現状では、一次試験に合格すると開示ができない他、開示を行っても一次試験の結果のみとなっています

・二次試験の配点(点数化しているのであれば)と、性別および年齢別の得点分布を公表する

 

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