医学部は勉強がハードだとイメージを持つ人が多いようで、サークルや部活、アルバイトなど勉強以外の時間がなくなってしまうのではないか、という質問などをたまに耳にします。
いざ入学してもその先付いていけるか心配になる人もいるようです。
今回は部活やアルバイト事情について、実際に現在医学部に通っている当塾の卒業生に聞いた話や私自身の医学生時代の経験談を紹介します。
入学後の勉強や留年については「医学部は留年しやすい?留年する人の共通点は?」に詳しく書いていますので、興味のある方は是非ご覧ください。
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医学部にはサークルがない
医学部が他の学部と大きく違うのは、部活しかない大学が多いことです。
大学特有のサークルという文化がありません。
サークルは「同じ趣味を持った仲間が集まり楽しむこと」が目的の場合が多く、自由度が高く雰囲気もゆるいイメージです。
一方部活は、試合や大会で実績を残すことが目的の集団がほとんどなので、サークルに比べると活動量も多く、内容もより本格的です。
部活動にはほとんどの学生が参加する
もちろん部活に入ることを強制されるわけではありませんが、実際の生徒の話を聞くと
「部活に入らない人の方が珍しいと思う。」
という声がでるくらい、大体の学生は部活に参加しています。
意外に思う方もいるかもしれませんが、運動部の活動の方が盛んで、
数少ない文化系の部活に入っている場合も、運動部と兼部している学生が多いです。
大学側が部活に参加することを推奨していることも、部活に参加する学生が多い大きな理由の一つです。
医師は体力が必要なので体力づくりや、勉強がハードだからこその身体を動かしてリフレッシュすることを目的としています。
また医科学生総合体育大会(東医体、西医体と呼ばれる)など、医療系の大学のみ出場する大会もあります。
医学生が部活動に入るメリット
縦(先輩・後輩)横(同級生)共に人間関係が築ける
医学部は授業も勉強もハードです。
実習は少人数のグループで行われますし、たくさんの友達を作ったり、いろんな人の意見を聞いたりという場を持つことが難しくなってきます。
そんな中で勉強とは関係のないコミュニティを形成する一つの方法としては部活は有効です。
よく医学部は情報を入手できるかどうかで学生生活が変わる、といった趣旨の情報を目にします。
大げさに聞こえるかもしれませんが、私自身の医学生時代の経験からも一理あるとは思います。
実際に試験問題のコツを教えてもらったり、実習の様子を聞いたりと、先輩とつながりがあることで助けられた場面がたくさんあります。
勉強の休憩、息抜きになる
勉強がハードな中での適度な運動は、単純に息抜きになって楽しい、という学生も多くいます。
特に高校まで打ち込んでいた部活がある人はその運動を続ける人が多いようです。
サークルがないため、学内で運動しよう、と思うと部活に入るしかないという意見も耳にします。
医学部も卒業後医師になってからも、体力は必要です。
体力面では学生時代から運動する習慣がある人の方が有利ですし、医師になってからも息抜きに運動する時間を作る人は多いと聞きます。
他にすることがない
ずっと医学部受験に打ち込んできた学生は、打ち込むことがないと逆に時間の使い方に困ってしまう、という人もいます。
その自由な時間の使い道が部活になる、ということです。
もちろん試験も山ほどあり、決して勉強が楽なわけではありません。
ただ想像を超えるハードな受験を乗り切って、目の前の目標がなくなったことで途方に暮れてしまう学生は多いと聞きます。
医学部受験に成功するような学生は、目の前にある目標に向かって最大限の努力をする、ということが習慣化している人が多く、そういった人が何もしなくていいという環境に置かれると、それはそれで困ってしまうのではないかと思います。
何かやらなければいけないことがある、という状態で、かえって時間を大事に使うようになったり、安心したり、という人は少なくないのではないでしょうか。
※あくまで個人的な意見です。もちろん受験から解放されて何もしたくない、という人も中にはいると思います。
また地方の国立医学部などは、交通の便がよくないキャンパスも多くあります。
そういった医学部に進学すると「他にすることがないから部活をやっている」という学生も多いようです。
医学生が部活動に入るデメリット
実際に医師になってからは、
「辛かったりやめたいときもあったけど、なんだかんだ部活は入っておいてよかったと思う」
という意見も多いです。
ただ遠征や合宿も多いため、
- お金がかかる
- 平日以外の時間を費やさなければいけない
という点では不自由を感じるという意見もあります。
また飲み会やコンパ、イベントが多いのも医学部の部活の特徴だといえます。
「部活の遠征、大会、飲み会で夏休みがない!」と言う卒業生もいます。
そうやって触れ合う時間が多いからこそ人間関係が濃くなっていくのだとも言えますが、その分時間やお金がかかる事にデメリットを感じる人もいるでしょう。
医学生のアルバイト事情
アルバイトに関しては、やってみたいという好奇心からチャレンジする人が多いように感じます。
医学部は学年によって忙しい時期とそうではない時期があるため、ずっと継続的にアルバイトを続けるという人はあまり多くありません。
例えば1年生は時間があるので、がっつり部活をやりながらたまにアルバイトをする、といったことも可能です。
ところが2年生になると実習が多くなってくるため、アルバイトに時間を割くことは難しくなり、辞めてしまう人も多いです。
また試験前にはどうしても勉強時間を多く確保する必要があるので、がっつりアルバイトをするのは難しいと思います。
その後もアルバイトを続ける人はいますが、国家試験を控えてくると、やはりそれどころではない、というのが正直なところです。
やはり文系の大学などと比べると勉強はとてもハードです。
空きコマ(授業が入っておらず時間が空くこと)もなく、試験の回数も多いため、大学といっても高校時代と生活リズムはほぼ変わりません。
他学部の学生と同じ感覚でアルバイトをするのは難しいかもしれません。
ちなみに職種としては家庭教師や塾講師などが多いようです。
医大生は偏差値の高い学校が多いため、優遇されたり時給がよいのは事実です。
医大生の部活、アルバイト事情・まとめ
授業や部活に関しては、大学生というよりも、同じく部活に打ち込んでいる高校生を感覚や生活リズムが近いように感じます。
1、2年生のうちは週3部活、週3アルバイト…のように勉強以外のことも楽しんでいる医学生もいますし、部活やアルバイトが全くできないということはありません。
医学部を卒業した人のほとんどが、将来的には医師になります。
医師と一口に言っても分野も働き方も様々ですが、基本的に進む世界は決まっているようなものです。
だからこそ医学生時代は、いろんな人に出会ったり、いろんなものを見るチャンスです。
高校時代よりもさらに見ることが出来る世界は広がります。
本業である勉強をおろそかにしない程度に、部活やアルバイトにチャレンジすることは、卒業後医師の仕事をする中で役にたつものだと思います。