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医学部は留年しやすい?留年する人の共通点は?

「医学部は進級が難しく、留年しやすいのですか?」と質問されることがあります。
しかし、実際に医学部を卒業した私の経験や、当塾の卒業生から聞く話では、一概にそうとも言えません。

どうしてそういった意見がでてくるのかも含めて解説していきます。

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医学部のゴールは国家試験に合格すること

医学部のカリキュラムの最終ゴールは「国家試験に合格すること」です。
そのレベルまで到達するために必要な知識や能力を6年間かけて習得するのが医学部です。

そのため他学部、特に私立の文系大学などと比べると、勉強や試験の量は比べものにならないくらいに多いのは事実だと思います。

ただ、大学や学年によって、進級の基準は大きく異なります。
同じ国家試験がゴールなのになぜそういった違いが出るのでしょうか。

偏差値の高い大学は比較的進級が簡単

結論から言うと、偏差値が高い大学は比較的進級が緩い傾向にあります。
逆に偏差値が低い大学ほど、厳しい進級基準やカリキュラムが敷かれていることが多いです。

国家試験に通るレベルまで到達することが最終目的なのであれば、もともと偏差値が高い大学に集まっている学生の方が、単純に国家試験通過率が高くなります。
偏差値が高い大学に入学しているということは、的確なポイントを効率的に、また必要な努力を惜しむことなく勉強に取り組むことができる学生が多いということになります。
そのため、大学側が厳しく押さえつけなくても、学生は国家試験に合格することができるのです。

反対に偏差値が低い大学に入った生徒は、単純な結果だけ見ると、偏差値が高い大学にいる生徒よりは国家試験合格から遠い位置にいることになります。
ということは偏差値が高い大学の学生よりも、より努力しないと国家試験に落ちてしまう可能性が高いと言えます。
そのため大学側は、テストの頻度を増やしたり進級基準を厳しくすることによって、学生に強制的に勉強させるカリキュラムを組む傾向にあります。

一部同じ大学でも、学年によってカリキュラムが大きく異なる場合もあります。
それも国家試験の通過率の良し悪しに影響されていることが多いです。
国家試験の通過率が極端に悪い年があれば、その2~3年後にあたる学年のカリキュラムは厳しくなったり…という事もあり得ます。

教授によって試験内容や基準が変わる

中学校や高校と同じように、試験問題は授業を担当する教授が作成します。
そのため教授によっても内容は大きく変わる場合があります。

実際に医学部を卒業した私の経験談ですが、例年の過去問通りの内容だけの場合もあれば、教授が外で取り組んでいる研究や論文を問題の題材にしてくるような科目もありました。

医大生はどのように試験をクリアしているのか

医学部はとても試験が多く、一つでも落とすと進級できません。

ただ上記のように教授や学年によって試験内容が変わるため、試験を通ることが難しい教科もあればあっさり通ってしまうこともあります。

試験をクリアしていく方法はとてもシンプルです。

・真面目に勉強すること

・交友関係を築いて、試験に関する情報を自ら集めること

真面目に勉強すれば留年しない

当たり前のことですが、真面目に勉強している生徒はあまり留年しません

医学部の試験はほぼ暗記です。
医学部の受験勉強を乗り切ってきた学生たちでも苦戦するほどの暗記量を課されます。

そのため地道な努力が必要ですが、正しい方法で努力を重ねていれば受かる試験がほとんどです。

交友関係がカギを握る

試験の過去問や教授による試験傾向の情報を入手できるかによっても、試験勉強の効率は大きく変わってきます。
それは公に開示されるものではなく、大体は部活の先輩や、知り合いが多い友人から情報をもらうことが多いです。

そのため全く人づきあいが苦手な学生よりは、ある程度の交友関係を持っている学生の方が有利だと言えます。

留年する人の共通点

前述の通り「真面目で交友関係が良好な学生」が試験に通りやすいのであれば、裏返しの状態の学生が留年しやすいということになります。
それは、「真面目に勉強せず、孤立をしてしまっている学生」です。
医学部に合格して満足してしまい、大学での勉強を怠れば当然進級は危ぶまれます。
「受験勉強より大学の試験勉強の方が辛い」という医学生も多くいます。
また、孤立してしまい試験前に出回る情報を手に入れられず、勉強すべきポイントを外してしまう学生も試験に苦労する傾向があります。

 

上記に加えて、個人的な見解ではありますが、「地頭がよく、あまり苦労せずに医学部に合格した学生は意外と留年する」というものがあります。これは卒業生や医学生時代の周りを見て実際に感じた事です。

いくら頭が良くても、大した勉強をしていないのに医学部に受かってしまった学生は注意が必要です。

前述の通り、医学部の試験はほぼ暗記です。
医学の知識は全員ゼロの状態で入学してくるため、全員一緒のスタートラインに立たされます。
授業でやったことをひたすら覚えて、記憶を定着させていくしかありません。

ところが元から頭が良い学生というのは、他の生徒と比べるとそこまで努力をしていません。
もちろん本人もちゃんと勉強しているとは思いますが、幼少期から受けてきた教育が功を奏し、数学力が身についている生徒が多いです。
そういった生徒はもとから持っている数学力である程度偏差値が伸びてしまいます。

ただし本人はそのことに気づいていない場合が多いのが落とし穴です。
周りは必死になって努力をしているのに、自分はそこまで頑張らなくても彼らより偏差値が高い。
自分は能力が高いんだ、努力をしなくても平気なんだ…と高を括ってしまう学生をたくさん見てきました。

こういった学生は努力を怠る傾向、もしくは努力の仕方を知らないケースが多いため、最初は余裕だったのに最終的には落第してしまうという学生は少なくありません。

逆に医学部受験の際に苦労して成績を引き上げた、数学がダメだから他教科で必死にカバーした…というように限界まで努力をした経験がある学生の方が、入学後は圧倒的に有利です。
努力をすることが身についているので、頻繁に行われる試験のたびに努力をすることが苦ではありません。

医学部はひとつひとつの試験ですら、比較的レベルが高いです。
努力をすることから身に着けていたのでは、とても追いついてはいけません。

医学部は留年しやすいのか・まとめ

確かに医学部は他学部に比べると、授業も試験もハードです。
ただ医学部受験を乗り越え、努力が身についている学生が真面目に取り組めば、問題はありません。

入学後のカリキュラムの厳しさや試験対策を考えると、受験時に努力をし、より偏差値の高い大学に入ったほうが後で得をするかもしれません。

関連記事:医大生の部活・アルバイト事情

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