執筆者:筑波大学医学部合格
フェリス女学院高校ってどんな高校?
フェリス女学院高等学校は、横浜市中区にあるキリスト教系(プロテスタント)の女子校です。高校からの生徒募集がない完全中高一貫校で、一学年の人数も180人前後と小規模です。
“For Others”という教育理念にあるように、他人のために行動できる人間を育てる教育が行われています。
毎朝の礼拝に加え週一回の聖書の授業、聖書の学びを深める修養会など、キリスト教教育が盛んにおこなわれています。また、英語のスピーチ大会や合唱コンクールなどは、外部審査員の招かれたとても本格的な行事となっています。
校風・生徒の雰囲気について
明文化された校則がなく、学校生活の多くは生徒の自主性にゆだねられています。通学カバンやカーディガンなども自由となっています。このように自由な校風からか、我が道を行く個性的な生徒が多い傾向にあります。私自身も自由な校風とセーラー服にあこがれて入学したのですが、想像以上に色とりどりな先輩方のカーディガン、宿題がほぼなく勉強までも生徒の自主性に任されていることに驚かされました。
立地・設備について
閑静な住宅街に位置しているため治安はいいのですが、学校は丘の上にあるため毎朝生徒は急な坂や長い階段を上って登校しています。
学校の設備としては、蔵書の多く広い図書館、ステンドグラスやパイプオルガンのある講堂などがあるほか、体育館や古い校舎がここ数年で改築されたため、快適な環境になっています。一方、運動場があまり大きくないため、体育大会は毎年外部の体育館で行われます。
フェリス女学院高校での学校の勉強について
多くの科目で少しずつ先取り学習が行われています。特に数学は、高2までにほぼすべて終了していたため高3の1年間は多くの時間が問題集の演習に当てられていました。
授業の難易度は高学年になるほど難しくなっていましたが、高学年は選択科目の少人数クラスが多いため、授業中にも質問しやすい環境だったように思います。
先生方は、授業中の質問にも快く対応してくださいますし、休み時間に市販問題集や予備校の課題などについての質問をしても熱心に指導していただけました。
定期テストについて
2学期制で学期ごとに中間テストと期末テストがあるため、定期テストは年に4回あります。平均点は科目や先生によりさまざまですが、理系科目は難しく平均点が6割を切ることもありました。試験対策は、授業ノートの復習に加え、同範囲の市販問題集での学習を主に行っていました。
宿題・講習について
わたしの在学中は宿題がほとんどありませんでした。下の代からは市販の英単語帳の暗記・単語テストなど少しずつ宿題や小テストが増えつつあるようです。
また、講習については定期テストの成績が芳しくない生徒に対しては補講が行われることはあるものの、それ以外の生徒に対しては、高1の夏休みに希望者へ英語・数学の講習が行われたのみでした。
医学部受験に対するサポートについて
私立医学部の指定校推薦枠があること、国公立大学の公募推薦を利用する生徒がほぼ毎年数人程度いることから、志望理由書の添削や面接の練習はしていただけます。医学部対策講座などはありませんが、質問対応などは可能です。また、学校の図書館には多くの赤本も置いてあるため、自習時間に図書館で過去問の勉強をすることも可能でした。
フェリス女学院高校の課外活動について
部活について
ほとんどの生徒が1つ以上の部活に所属しており、兼部も盛んに行われています。運動部は数が限られており、また学校の方針で日曜日は試合に参加できないため、やや活動には制限があります。文化部や同好会は多種多様で、同好会は創設のハードルが低いため年々新しいものが生まれています。
学校行事について
文化祭では、部活の展示や出店、体験型イベントに加えて運動部の試合などが行われ、何千人もの外部の方が訪れます。
球技大会や合唱コンクールといったクラス対抗のイベントは、生徒が主導となって練習を行うため、クラスの仲がより深まります。
フェリス女学院高校の受験について
受験勉強を始める時期について
多くの部活は高2の秋~冬までに引退となるため、部活引退後から本格的に受験勉強を始める生徒が多かったと思います。
早い人は中学生のうちから苦手科目などで大手予備校の中学部や個別指導塾に通っていましたが、高校に入るとほとんどの生徒が塾に通っていました。
志望大学について
文理比率はほぼ半々で、国公立大学に進学する生徒は全体のおよそ4割です。
また、浪人率は3割近くに上り、その多くは東京大学、京都大学といった難関大学や医学部を目指す生徒となっています。
フェリス女学院高校からの医学部受験について
毎年現役で医学部に進学するのは10人程度、浪人も含めると20人程度になります。
年々医学部志望者が増えているようです。
進学実績と学校の成績はあまり比例していない印象でしたが、現役で医学部に進学した生徒の多くは、中3や高1の段階から英数の基礎をしっかりと勉強していたように思います。