<解説動画>
科目配点や科目の難易度で受験校を決めるのは危険
「数学が苦手だから順天堂大学」という受験生は多いが…
順天堂大学医学部は数学の配点が低いことから、数学が苦手な人に有利ではないか?と考える受験生は多いかと思います。
しかし、数学の配点が低いからといって、数学が苦手な受験生全員におすすめできる訳ではありません。
具体的に、このような受験生を考えてみましょう。
・英語、理科の偏差値は68
・数学の偏差値は62
Aさんは、数学が苦手な受験生なので、順天堂大学が有利なのではと考えていますが、本当にそうでしょうか。
ここで注意しなければならないのは「受験者層」です。
順天堂大学は偏差値が70あるので、学力の高い受験生が受験しやすい傾向にあります。
Aさんの例で考えると、得意の英語や理科でも合格ラインを下回る可能性を考えなければいけません。
偏差値はあくまでも指標の1つに過ぎないのですが、やはり偏差値の高い大学ほど、競争相手のレベルも上がります。
いくら数学の配点が低くても、他の教科で合格ラインを下回ってしまうと、Aさんに有利な試験にはなりません。
受験者層の違いは科目の配点よりも合否に影響します。
「数学の配点が低い偏差値70の大学」と、「数学の配点が他の教科と同じ偏差値65の大学」を比較すると、後者の大学の方がAさんの合格可能性は上がる、ということです。
得意科目と苦手科目で合否は決まらない
よく、英語が得意な人には「○○大学」、数学が苦手な人は「○○大学」は不利になる、というアドバイスがありますが、実際のところ、そんなにロジカルに合否は決まりません。
卒業生の例を挙げて考えてみます。
成績を見ていただければ分かる通り、英語得意、数学苦手という受験生です。
結果的には、信州大学合格、日本医科大学(特待合格)、昭和大学(特待合格)されたのですが、実は国際医療福祉大学は一次試験で不合格でした。
国際医療福祉大学は英語の配点と難易度が高く、いわゆる「英語で差が付き、英語が得意な人が有利」と言われる試験です。
一方、日本医科大学は医学部の中でも数学の難易度が高いことで有名であり、「数学が苦手な人が不利」とされている試験内容です。
得意科目と苦手科目で考えると、この結果は予想外かと思われますが、この卒業生が特殊な訳ではありません。
科目の難易度と本人の成績、実際の合否を比べたところ、ロジカルに合格が決まらない例は頻繁にあります。
過去問の傾向などから受験校を選ぶ人は少なくありませんが、データを検証すると、合格可能性が上がる訳ではないと言えるでしょう。
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