<解説動画>
記述問題が苦手な人は少なくない
「記述式問題が苦手」、「どこまで書けばいいか分からない」といった受験生は少なくありません。
普段の勉強で記述に慣れていない場合、模試や過去問演習でいきなり記述答案を書くのは難しいでしょう。
記述式問題に対応するためには、普段の勉強から「ちゃんと記述する」練習が必要です。
最も簡単かつ有効な方法は、問題集の解答通りに記述を作成できるように演習することです。
問題集は何度か繰り返し、解答の記述の答案をそのまま再現できるようにしましょう。
よくある質問
「問題集の解答通りに記述できるように練習する」とやっていくと、こんな質問を受けることがよくあります。
試験本番の採点基準について説明していきます。
試験本番の採点に絶対な基準はない
結論から言うと、試験本番の採点基準には、絶対的な基準はありません。
まず言えることとしては、採点基準は大学によって異なるということです。
模試の時に「採点基準について」という冊子をもらうと思いますが、大学入試でも同じように採点基準が作られ、採点官に共有されます。
その基準の決め方は、問題作成者や試験作成の責任者によって変わるため、大学ごとに採点基準が異なってきます。
もう1点挙げると、入試の採点基準は相対基準になることもあるということです。
もともとの基準でいくとあまりにも点差がつかない場合、より詳しくかけている人に部分点を加点していくこと等があります。
試験本番の記述作成で大事なこと
上記の通り、入試において絶対的な採点基準はありません。
試験本番、記述の答案を作成する上で重要になってくるのはこの2点です。
①入試本番は時間との戦い
入試本番は制限時間があります。
大学によっては制限時間が厳しく、そもそも完璧な答案を作成することが難しいということも少なくありません。
その場合は、完璧な答案を作成するよりも、与えられた時間の中でより正解に近い答案を作成することの方が重要となります。
特に私立医学部に多いのですが、試験時間が短く、時間内に問題を解き終えるのが困難な大学もあります。
よくあるのがマーク問題+記述問題という形式です。こういった場合、記述の内容を完璧にしようとしてしまうと、まず時間が足りなくなりマーク問題が解けなくなってしまいます。
記述の内容をブラッシュアップしたところでどのように点数がもらえるのかはわからない訳ですから、記述のブラッシュアップよりもマーク問題を解く方が優先順位は高くなります。
一方、試験時間に余裕がある場合は、完璧な答案目指して記述内容をブラッシュアップしていくことが大切となります。
②求められる回答は文字数によって変わる
次に着目すべきなのは文字数です。
同じ問題でも文字数によって求められる回答は変わってきます。
例えば、制限字数が20字の場合、求められているのは結論だけです。核となる結論を一言入れる、(英語の場合は)核となる一文だけを訳すことが求められます。
一方、制限字数が200字となった場合、結論だけでは字数が足りず減点対象となると考えられます。
核となる結論は必須ですが、それに加え、背景となる周辺知識や自分なりの考察を記載していく必要があります。
記述作成で大切なことまとめ
記述を作成していく上で大切になってくるのは、試験時間と文字数です。
試験本番は、時間と字数に対して最適な回答をその場で判断しなくてはなりません。
どの試験に対しても重要になってくるのは、核となる結論を確実に記載することです。
字数が少ない場合は、結論を外した場合は一発で0点となる可能性が高いですし、字数が多い問題でどんなに長く書いたとしても結論が入っていない場合は大きく減点されるはずです。
まずは核となる結論は何かを考えた上で、字数を増やすようにしましょう。字数を増やす場合は、結論に至った背景を詳しく説明したり、周辺知識を記載する等が有効です。
”絶対外してはいけないルール”はおさえておく
いくら採点基準は大学によって異なるといっても、入試には絶対外してはいけないルールがあります。
例えば、
・分母が0になる可能性がある時、場合分けを記載しているか
・同値記号が適切に使えているか
(同値の式変形でないのに同値記号を使っていると減点対象)
・明らかに図やグラフを書かなければいけない問題
等があります。
こういった答案作成の上で「絶対外してはいけないポイント」というのは共通しているので、どんな場合でも気を付ける必要があります。
まとめ
記述問題の採点基準において、絶対的な基準はありません。
「どこまで書けばいいのか」という点については、試験本番の制限時間や文字数に応じてその場で判断していくのが最適解となります。
冒頭の質問に対しては、「問題集によって回答が違う」という場合、誤植でもない限りはどちらも正解と考えるのが当然です。
ある問題集の回答が短く端的にまとまっているならば、文字数制限が厳しい試験で有用ですし、別の問題集の解答が長い場合は、周辺知識や背景の記述方法が学べます。
「どちらを真似すればいいか」と考えるのではなく、「試験によって変わってくるため、今はどちらも習得しておこう」と考えるのがおすすめです。
1年で医学部に合格する勉強法&おすすめ参考書
医師が執筆。医学部に合格するための勉強法・おすすめ参考書はこちら。