授業を聞くのは一般的な学習法だけど…
学校でも予備校でも、先生が講義をして、生徒はそれを聞く。
いわゆる「集団授業」「集団講義」の指導をしているところが多く、それが普通だと思います。
しかし、授業を聞く勉強は実は効率がよくないよ、というお話を説明させていただきます。
私たちは医学部受験の専門の予備校を運営していますが、集団講義は一切行っていません。おかげさまで今年は40名の医学部進学者を輩出できましたので、少し説得力のあるお話ができるのではないかと思っています。
「授業は学習効率がよくない」という研究結果
いきなり身もふたもないことですが・・
アメリカ国立訓練研究所の研究で、学習方法と定着率の関係を調べて「ラーニングピラミッド」というモデルが発表されています。
学習方法と定着率は↓
他の人に教える:90%
自ら実践する:75%
グループディスカッション:50%
デモンストレーションを見る:30%
視聴覚体験:20%
読書をする:10%
講義を聞く:5%
講義を聞く:5%
「講義を聞いた内容の5%しか定着していない」と捉えることができます。
この研究には反論もあるようですが、「講義を聞いた内容はあまり定着していない」というのは誰しもが納得感のある内容だと思います。
さらに、これは講義をしっかり聞いていたときの話なので、講義中に眠ってしまったり、意識がとんでしまっていたり、らくがきをしてしまっているとさらに低下します。
動画でも全く同じ!
では最近増えてきている、動画学習はどうしょう?
結論からいうと、授業を聞くのとほとんど同じで効率はよくないと思います。
確かに、動画のメリットもいくつかあります。
・講義が上手な先生の授業を視聴できる
・自分にとってよいタイミングで視聴できる
・繰り返し視聴できる
・スキップしたり早送りなどができる
生の授業を聞くことに比べると、動画のほうが効率はあがると思います。
しかし、根本的には授業を聞くスタイルに変わりはないため、やはり効率が劇的にあがることは考えづらいです。
では授業を聞くスタイルが効率がよくない根本的な原因はどこにあるのでしょう?
授業を聞くのが効率が悪い理由とは?
生徒がぼーっとしている(受動的な勉強)
これをみて「ドキっ!!!」とした人は多いんじゃないでしょうか?
もうね、授業を聞いているときって、ほとんどの人が「ぼーっと」しているんです。
もちろん、
「ぼーっとしてない!ちゃんと真面目にノート取っています!」
という方もいるでしょう。
でも、板書や先生の発言をノートに書き写すのって、全然頭を使わないんです。
見たこと・聞いたことをそのまま写す、といった学習は、インプット中心となってしまい、残念ながら定着度はかなり低くなります。
「ぼーっとしている」ことをカッコよくいうと、「受動的な勉強」になります。
受動的の反対は、能動的です。
つまり、どう頑張っても能動的な勉強ができないというのが、授業スタイルの限界だと思います。
動画でも全く同じことがいえます。
「動画を見る」というのもやはり受動的な勉強です。
動画をぼーっとみている人、ノートに書き写して満足している人、多いと思います。
「わかる」と「できる」は全くの別物
さらに、「わかる」と「できる」は全くの別物です。
そして、受験や試験では、「わかる」だけではほとんど意味がなく、自分で「できる」ようにする必要があります。
授業を聞いたり、動画をみたり、人の説明を聞いていると「わかった」気になります。
しかし、そのあとでいざ問題を解いてみるとほとんど解けるようになっていないというのはほとんどの人が経験したことがあると思います。
試験で問題を解くためには、「話を聞いてわかる」では不十分なのです。
どうすれば効率よく勉強できるか
能動的に勉強する
授業があまり効率的でないことはよくわかったと思います。
じゃあどうすればいいのか。
やはり大切なポイントは、「生徒が能動的に勉強すること」だと思います。
能動的な勉強の方法は、以下のようなものがあります。
・参考書で自分で問題がわからない原因を調べる、考える
これらはいずれも能動的です。
能動的というのは、自分が頑張らないと進まないことです。
授業は自分が寝ていても気がついたら終わります。
動画も、ぼーっとしていてもいつか終わります。
しかし、
自分が考えていないと問題集は解けません。
自分が考えていないとわからない原因を解決することはできません。
能動的な勉強は自分自身が頭を使っていないとできないものです。
さらに効率を上げるために
冒頭で述べた、ラーニングピラミッドの頂点は何だったか覚えていますか?
そう、人に説明することだと書かれていましたよね。
実際やってみるとわかるのですが、「自力で解ける」状態と、「人に説明できる」状態では、習得度に大きな違いがあります。
(あやふやな理解では人に説明するのは困難です。)
さらに効率を上げるためには、「人に説明できる」のを目指すとよいでしょう。
実際に対面で説明する必要はないので、目の前に誰かがいると想定してみるだけでOKです。
ただ、最初からここまでやろうとすると負荷がかかりすぎるので、ある程度学習を進めた段階でやるのがおすすめです。
まとめ
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