標準問題精講の特徴
標準問題精講には標準~応用レベルの問題が収録されています。
基礎が固まった状態で本書を使用することで、応用力を養うことが出来ます。
例題→精講→解答→演習問題という構成で、基礎問題精講と同じく解説が丁寧であることが特徴です。
*基礎が徹底的に習得できてから取り組むようにしましょう。
*基礎が徹底できてさえいれば合格可能な医学部も多くあります。(国公立大学医学部含む。)全教科の基礎力が十分ついた段階で取り組みましょう。
標準問題精講が医学部受験におすすめな理由
医学部受験参考書選ぶコツは、「科目間のバランスが取れるか」
医学部入試対策として、難問をすらすら解く力をイメージされる方は多いのですがそれは誤解です。
全教科で基礎を徹底的に身につけること、苦手科目・苦手分野といった抜けを作らないことが何よりも大切になります。
科目数が多く出題範囲も広い医学部入試において、科目間のバランスをとって勉強することは非常に重要であり、合否を分けるポイントです。
おすすめ理由① 公式や定義の背景が学べる
標準問題精講では、公式の導出や定義の背景が題材となっている問題が多く掲載されています。
基礎問題精講で公式や定義を用いて問題が解けるようになった後に、標準問題精講に取り組むと、公式や定義が成り立つ理由などに着目できるようになります。
さらに、標準問題精講の問題に取り組みつつ、公式や定義の背景を踏まえた上で基礎問題精講を参照すると、基礎問題精講を取り組むなかでは気づかなかった解法のポイントを発見することができます。
標準問題精講を取り組み、公式や定義の深い理解ができるようになると、模試や入試で初見の問題に出会っても、適切に解法を選ぶことができるようになります。
おすすめ理由② 典型問題が豊富
医学部受験では皆が解ける問題を解けるようにすることが必要ですが、典型問題の中にはやや応用的な問題も含まれます。
標準問題精講には、簡単ではないけど試験でよく見かける問題が多く収録されています。
また、例題の解説が丁寧であるため、解法の流れを理解しやすいです。例題で流れを掴んだら演習問題でアウトプットすることが可能です。
おすすめ理由③ 網羅性を確保している
応用問題を全て解けるようにする必要はありませんが、ある程度網羅性のある問題集の中からできる問題を選んで習得することで試験で解ける問題の幅が広がってきます。
いくら問題数が絞られていても、内容に不足が多ければ推奨できません。
基礎問題精講では、問題数は絞られているものの、一定以上の網羅性を確保しているという特徴があります。
実際、数学は基礎問題精講の使用だけで医学部に合格した例は毎年複数出ています。
入試で必要な事項は一通り固めることができるということが分かっています。
おすすめ理由④ 問題を選んで使うと応用問題を習得しやすい
本書の中には難しい問題が多くあるため、全て解こうとするのではなく「少し工夫したら解けそうな問題」や「試験でよくみられる典型問題」、「公式や定義の理解に役立ちそうな問題」を解くことをおすすめします。そうすることで、難しい問題の中には基礎の知識の組み合わせで解けるものがあることを実感し、実際の試験で初見問題に直面したときの向き合い方を考えるきっかけにもなります。
逆に、全ての問題を習得しようとしてしまうと数学に多くの時間を費やすことになり、科目間のバランスが大切な医学部受験にとってはマイナスになることが予想されます。
難しい問題には「基礎的な内容や公式等を組み合わせて作られた問題」か「ひらめきがなければ解けない問題」が多い思います。後者は初見で解くことが難しいのに対して、前者は基礎が十分に習得できている段階であれば少しの工夫で解けることが多いような気がします。そのため、本書で問題を選ぶ際には、前者のような基礎の知識を用いて解くことができる問題を優先することをおすすめします。
本書にも応用レベルの問題は多数収録されていますが、ある程度問題数が絞られているため問題を選びやすいです。
実際に使った感想(卒業生のレビュー)
私は基礎問題精講で基礎をある程度習得した段階で標準問題精講を使用しました。
本書は基礎レベルの問題集と使用法は異なり、1冊を完璧にすることは難しかったので。基礎を用いた応用問題や基礎ではないけど典型的な問題のみ取り組みました。
練習の段階で解説を読んでも理解できず飛ばした問題は、実際の試験で同じものが出たとしてもほかの受験生も解けないだろうと考えるようにしていました。
一方で習得しようと取り組んだ問題は基礎レベルの問題集と同様に何周も繰り返すことで、解答を自力で再現することを目指しました。これにより、試験中に解ける問題の幅が広がっただけでなく、基礎が曖昧だった部分の理解を深めることが出来たと思います。
やはり医学部受験で大切なのは基礎の徹底であることには変わりありませんが、基礎の習得が十分にできた状態で応用力を身に着けたい医学部受験にはおすすめの1冊です。