<解説動画>
医学部英語のよくある誤解と正しい勉強法
「医学部受験の英語対策=難解な構文の読解」ではない
「医学部は難関」というイメージから、医学部入試には必要ないレベルの応用問題に取り組んでいる受験生は少なくありません。
しかし、医学部入試では過度に難解な構文を訳させたり、難易度の高い英作文を課すような大学はほとんどありません。
単語・文法を徹底的に身に着けた上で英文を読むのに慣れておけば、多くの医学部に対応することができます。
医療英単語の暗記は最後の最後でよい
医学部入試の英語では医療テーマの長文が出題されることも多く、医療に関わる英単語をよく目にするかと思います。
ただし、医療単語の習得はほとんど合否に関わりません。
医療単語の習得より、一般的な英単語・イディオムをしっかりと暗記し、文法事項を習得できているかの方がはるかに重要です。
医療単語の暗記を行う際は、すべての基礎が徹底的に習得できた後、短期間で行いましょう。
英語の授業は非効率的
英語力は自身の努力によるところが大部分であり、授業を聞いて成績がのびることはほとんどありません。
英語で最も重要なのは英単語・文法の暗記であり、それを踏まえて自力で英文を読み込むことでしか英語力を伸ばすことはできません。
授業で解説を聞いただけでは試験中に自力で答えを見つけにいく力はつかず、効率の悪い勉強となってしまいます。
英語を勉強する時のアドバイス
英語に困っていない人へのアドバイス
英語がもともとできる人にありがちなのが、英語は既にできているのに、他の科目と同じくらい力を入れて勉強してしまうことです。
よくあるケースですがこれは医学部受験において間違った勉強法と言えます。
なぜなら、数学や理科で1教科でも習得が不十分な教科があると医学部合格可能性がほとんどなくなってしまうためです。
他の科目に穴がある場合、いくら英語を伸ばしても合格は難しくなります。
特に現役生では、数理の履修が間に合わずに不合格になる人が非常に多いので、英語が得意で数理に不安がある人は数理の習得を優先的に行いましょう。
英語が苦手な人へのアドバイス
英語は医学部受験において非常に重要な科目です。
英語が苦手なままだと、他の科目でよほどアドバンテージを取れる人以外、医学部合格は極めて困難になります。
英語が苦手な場合は放置せず、早めに対策することが大切です。
英語力がつかないのを読解力のせいにして、長文読解を繰り返してしまう
というものがあります。
英語が苦手な人の大多数は、読解力のトレーニング不足ではなく、基礎事項の習得が不十分です。読解力を鍛える前にまずは基礎を見直しましょう。
英語は毎日コツコツと学習することで必ずできるようになりますが、勉強が成績の伸びに反映されるまでに時間がかかる科目です。
単語・イディオム、文法、構文を総合的に習得することで1文を正確に読めるようになり、それができて初めて長文読解ができるようになります。
勉強してもすぐ点数に直結しないかもしれませんが、諦めずに継続して勉強しましょう。
医学部英語勉強のコツ
継続して勉強することが最も大切
英語の習得には、継続が何よりも重要です。
上述したとおり英語の成績を急に伸ばすのは困難です。
英語は少しずつで良いので毎日勉強を続けることが重要だと言えます。
暗記をする時のコツ
英単語や英文法などは、単純な暗記ものですがとにかく量が膨大です。
これらを覚える1番のコツは、「短期集中で一気に暗記し、復習を繰り返す」ことです。
丁寧にやろうとして時間をかけすぎると、次復習する頃には最初の方に勉強した内容は忘れてしまいます。
習得内容を忘れた状態で復習しても学習効果は低く、前回習得した内容を少し覚えているうちに復習する方が効率がよいです。
もちろん、一気に暗記しただけではすぐに忘れてしまうので、復習を繰り返すことも大切です。
復習をした時に暗記できていない事項を中心に、何度も復習を繰り返しましょう。
具体的な勉強の流れ
単語の暗記
単語・熟語・イディオムの暗記は英語力の基礎となります。
これらの暗記を徹底することはシンプルですが、簡単ではなく時間もかかります。
英語の学習を開始したらすぐに単語文法に集中し、できるだけ早期に暗記してしまうようにしましょう。
もともと英語が苦手で最終的に難関医学部まで合格できた卒業生のほとんどが、成績が大きく伸びた原因を「単語の暗記」だと回答しています。
おすすめ参考書は「DUO3.0」です。これ1冊で難関医学部まで対応できます。
文法事項の習得
英文法の基礎の理解を徹底すると、文法問題が得点源となるのはもちろんのこと、長文読解の成績の伸びにも繋がります。
いきなり文法問題集に取り組むのではなく、まずは講義型参考書を使用して基礎事項を理解しましょう。
特に、SVOCなどの文型、自動詞と他動詞、修飾のルールなどは、英語の得点力をつけるために必須となります。
基礎を一通り身に着けたら、文法問題集に取り組みましょう。
おすすめ参考書は「ネクステージ」です。掲載されている事項はすべて暗記できるまで繰り返しましょう。
英文の読み込み
単語・文法の暗記が一旦完了したら英文の読み込みに入ります。
「正確に読む(精読)→速く読む(速読)→長文問題演習」
の順に習得していくことが大切です。
この順番が逆転し、まずスピードから上げようとするのはNGです。
まずはゆっくりでいいので、文を正確に訳せるようになりましょう。
STEP1:精読
精読力とは、”文構造が取れて英文の内容が正確に理解できる力”のことです。
文構造を取るためには、まず構文を暗記する必要があります。
構文を意識せず読むと、単語だけ順番に訳し、それらを勝手に組み合わせて”何となく”和訳してしまいます。
そのような読み方では、文章のレベルが上がった途端に内容が把握できなくなるため英語の成績が伸び悩む原因となります。
構文を暗記するための教材としては「基礎英文問題精講」がおすすめです。
STEP2:速読
医学部の英語では、試験時間に対して分量の多い長文が出題されることが多く、「いかに速く読んで設問に回答できるか」が重要になります。
速読力をつけるには、返り読みをせずに読む練習をしましょう。
返り読みをなくすためには、英文を何度も読み込んで、訳し下さなくても英文の意味が取れる読み方に慣れることが効果的です。
このトレーニングを継続することで読むスピードが格段に早くなります。
教材は「速読英単語 必修編」を使用しましょう。
※この勉強法は、すでに構文を徹底的に習得していることが前提となります。
そうでない人が速読しようとすると、前から単語を追っていくだけの読み方が習慣づいてしまいます。単語を追うだけの読み方は、文構造を理解した上で前から読むことと雲泥の差なので注意が必要です。
STEP3:長文問題演習
英文を速く正確に読めるようになったら、長文問題演習を行いましょう。
「基礎英語長文問題精講」がおすすめです。
こちらはまずは時間をはかり、試験形式で演習しましょう。
この問題集で演習がおわれば、後はセンター試験の過去問や二次試験の過去問で演習することで演習力をあげていきましょう。
英作文は単語・文法ありき
単語、文法の暗記とDUOの英文暗記ができていればだいたいの英作文は作れるようになります。
あとは特有の表現やイディオムを英作文の問題集を通して覚えていけば、医学部受験の英作文は得点源になります。
逆に単語や文法の暗記ができていない段階で英作文の練習をしても全く無意味になりますので注意しましょう。
問題集としては「基礎英作文問題精講」を使用します。この問題集は一般的な英作文のほか自由英作文も掲載されています。
リスニングの対策法
多くの受験生はリスニングに苦手意識を持っていますが、その原因としては英語のスピードについていけないことが挙げられます。
日本語のスピードよりも英語のスピードが速いため、リズムに慣れず意味をとっていくことができないのです。
リスニングは英語を聞くことに慣れたら必ずできるようになります。
リスニング対策に長時間割く必要はないので、毎日少しずつ英語を聞く習慣を作りましょう。
DUOや速読英単語の付属CDを使用しながら勉強し、あとはセンター試験の過去問で演習しましょう。
医学部英語おすすめ参考書
英単語
「DUO3.0+付属CD」
英文法(理解用)
「くもんの中学英文法」:中学レベルから怪しい人向け
「チャート式 基礎からの新々総合英語」 または 「一億人の英文法」
構文習得用
「基礎英文問題精講」
英文読み込み用
「速読英単語 必修編+付属CD」
「速読英単語 上級編+付属CD」または「リンガメタリカ」
長文読解演習用
「基礎英語長文問題精講」
その他
「やっておきたい英語長文700」(難関医学部受験者のみ)
「基礎英作文問題精講」(必要な場合のみ)
「全解説頻出英文法・語法問題1000」(難関医学部受験者のみ)